2017年2月9日木曜日

インド旅行記⑤



インド旅行記④の続き

私はプシュカルというところでその瞑想コースに参加し、奥さんはジャイプルで参加しました。私の方が1日早く始まって1日早く終わるのですが、ひょっとしたら奥さん、プシュカルの落ち合う予定の宿にすでに待っているんじゃないか、などとも想像しましたが、幸いにも彼女もなんとかちゃんとがんばって10日間コースを完遂しました。彼女は彼女で私が途中で辞めたかもしれないなあと考えていたようです。特に私は下痢でヘッロヘロのまま出発しましたからね。

その下痢はコース中になんとか治まりました。到着日と翌日は何も食べず、その次の日は朝のおかゆほんの少しとバナナ1本、3日目から出された食事をほんの少ーしずつ食べ始めたのですが、今までどこで食べても何度食べてもおいしいと思ったことが一度もない、インド人にとっての味噌汁みたいなものとよく言われるダル(豆)スープがその時初めておいしく感じられ、インド人にとっての味噌汁という表現に、(こんなショボい煮豆汁が味噌汁代わりとはなんとも可哀そうに…)といつも同情、というより上から目線で若干小ばかにしていた私のほうが実際のところ何もわかっちゃいなかったことに、下痢のおかげさまでようやく気付くことが出来ました。




プシュカルのセンターでの食事は、料理自慢の近所のおばちゃんが作っているんじゃないかというような辛くも脂っこくもない優しいインド料理で、病み(下痢)上がりの私にはとても助かりました。実際には修行中だからなのか病み上がりだからなのか分かりませんけど、毎日ほとんどお腹も空か大概少しずつしか食べなかったのですが、そこいらの安食堂で食べるより家庭的な感じがしてなかなか美味しかったです

しかしながら奥さんの方はジャイプルのセンターで、瞑想自体ももちろん相当ツライのですが、それに加えて食事にも相当苦しんだようでした。センターの規模が大きく、参加している生徒数がプシュカルより断然多かったみたいですし、味もキツくてかなり脂っこい料理も多かったそうです。やることは世界中どこのセンターでも同じなのですが、食事の質はやはりそれぞれ違うみたいですね。後に、同じ宿偶然この瞑想コースインドと日本で合計3回も参加したという日本人の方がいてちょっとお話を伺ったのですが、「食事は日本のが全然ウマいですよ!」と仰ってました。






プシュカルのセンターでひとつだけ困ったことは、あんな田舎なのにどこかその辺りにナイトクラブでもあるのか、インディアンテクノといいましょうか、重低音のリズムがドゥンドゥンドゥンドゥン…と延々続くような音楽が、ほぼ毎晩聞こえてくることでした。クリスマス、年末年始の時期だったから特別なのかよく分かりませんけど、基本的にこのコース中は疲れていてもあんまり眠くならなくて、しかもそんな俗っぽい音楽が聞こえてくるもんですからますます眠れず参りました。

 しかしまあこれも修行の一環、生まれては消え、消えては生まれるもの(というか音)、アニッチャー、アニッチャー…などと習ったことを無理矢理考えたり、フライドチキンとか餃子とかウナギの蒲焼きだとかが浮かんでは消え、消えては浮かびしているうちに(←聖なる沈黙が全くなってない)そのうち何となくウトウトして、なんか変な夢を見たと思ったら4時の起床の鐘が鳴る、みたいな毎日でした。修行中だからなのか昼間の瞑想中に眠くなるということもなかったけど、毎晩ちゃんと寝ている気は全くしないという。







コース終了時の達成感は本当に大きなものでした。10日目の午前中に聖なる沈黙が解除された時の静かな喜びは忘れられませんね。それからは他の生徒達と話が出来るようになるのですが、聞いてみると結構何回もこのコースに参加されている方々が多いのには驚きました。2回目という方ももちろんいるのですが(2回目からは“古い生徒”=“old student”と呼ばれます)、4回、5回とか7回目だという方もいました。私などは、『イヤ、もうとりあえず結構です。カンベンしてください。』という感じですが、何回も参加する人の気持ちが全く理解できないことでもないですね。



古い生徒である、あるインド人の参加者は、このコースに参加することはlife changing experienceだった、とそんな言葉で表現された方もいました。私自身、このコースをやり切った今、何かが大きく変化した、などというつもりは更々ありませんが、とにかくやってよかったとは思います。興味があって時間が作れる方には、ぜひおやりになってみてくださいとおすすめはしますね。もしもっと詳しく聞きたいことがある方がいらっしゃれば、阿蘇ベースに来て聞いていただければ私たちの経験したことでしたら喜んでお話ししますよ。



〈続く〉 


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