2012年8月30日木曜日

時代は変わる。

少し前に延長延長で5泊もしてくれたポーランド国籍のTomさんと、同じく延長延長で6泊もしてくれた旦那フランス、奥さんアルゼンチンのCelesteさん、Xavierさんご夫妻がいました。

どちらもすでに世界中何ヶ月も旅行を続けてらっしゃる方々でした。阿蘇ベースを気に入ってくれて延長していただけるのはたいへんありがたいですし、うれしいです。


彼らは長期旅行者らしく、ジツにのんびりしていました。いつも11時過ぎにゴソゴソと起きだしてその頃には掃除も始まっており、実際のところ少し邪魔なのですが、大変ありがたい連泊ゲストさんですからさりげなく口笛で“蛍の光”のナンバーを聞かせてあげたりしてました(連泊ゲストさんへのロックアウトはありませんので昼間館内でのんびりされても全然OKですよ)。


何故彼らはそんなにのんびりしているのかというと、ひとことで言うとかなり長い旅行をしているからなのですが、聞いてみるとなんと彼らは母国の会社に在籍しており、インターネットを使い仕事をしながら、給料が支払われながら、旅行しているとのことでした。

Xavierさんは滞在中毎晩500mlのビールを4,5本飲んでから仕事はどうやらその後に、本国の時間に合わせてしているようでした。

Tomさんは見た目30前くらいとまだ若く、ずいぶんとアタマの良さそうな知的な印象を持ったのですが、果たしてiphoneのデザイナーだか何だかとのことでした。英語も全くネイティブのようで、ある日仕事の電話っぽいのが掃除をしていた私の耳に入ってきた時、ポーランド語なのか私にはわかりませんが違う言語で話をしていました。それが途中でひらりと英語になったり、またふらりと前の言語に戻ったりして、“もう別にどっち語でもいいんだけどぉー”、という自然な感じで、“スッゲー、カッコイー”、と思わずうっとり聞き入ってしまいました。しかしポーランドの方から見るとひょっとしたらル―大柴的に聞こえる可能性もあるのかもしれないと思い直し、うっとりしたことを少し反省しました。

彼は次は中国に行く予定だったところ、予定を変えて沖縄に飛んでいきました。そこから台湾に行こうかなーなんて言ってましたが、そんなフレキシブルなところもなんだかとても羨ましい。


しかし世界を何カ月もかけて旅行しながらそれでいて会社という組織の中で働いているなんて、時代は変わっていきますねー。

2012年8月28日火曜日

種。


しょっちゅうではないですが、たまーーにゲストさんからちょっとしたものをいただくことがありあります。ちょっとしたもの、というのはオーストラリアで言うとコアラクリップとかそういう類ものです。


アメリカのMarioさん。アメリカっぽくなく控え目でおとなしい感じの口ひげは無いですがマリオさん。彼はなにやらアメリカでの生活に嫌気がさしたらしく、以前アラスカで漁師他様々な仕事をしたそうで、今は日本に来たばかり。これから旅行しながら何か仕事が出来ないか探すとのことです。グッドラック。

そのMarioさんからめずらしいものをいただきました。






オリーブの種です。

種とは意表を突かれました。これは是非ともパクりたい使える小土産だと思いました。オリーブの木植えたいなあ、なんて話をしてたこともありますので大変うれしかったです。ありがとうございます。

10年後には自家製オリーブの塩漬けをツマミにワインが飲めるのではないかと期待して大事に育てますね。


2012年8月18日土曜日

初泳ぎ。

ウチのキキ(犬)がまだ小さい頃に川に連れていった時、コーフンして水辺をはしゃぎまわり、突然足がつかない深いところに入ってしまい、相当びっくりしたらしく、マツコデラックスに追いかけられているような必死な表情で足がつくところまで泳ぎ帰ったことがあります。私は傍で見ながら大笑いしてましたが、それ以来、水場は大好きなのですがウチの奥さんと同じく足のつかない場所には決して入らないビビり屋さんになってしまいました。本来泳ぎ好きの犬種であるレトリバーとしてそれはいかんだろうと去年水遊び場に連れて行ったときに特訓して、なんとかすこしは泳げるようにはなりました。




そして今年、このまま1回も川で泳ぐこともなく夏が終わりそうだったので、そんな夏に価値は無い、とばかりにとにかくこの際近場でも仕方ないからキキを連れて昨日よーーーやく初水遊びに行ってきました。


さあ遊ぶぞ、と水に入ります。キキも去年泳いだことを覚えているのか、初めは少し躊躇したものの、足のつかないところへも果敢に進入してきます。


手足のバタバタを止めたら沈む、と信じて疑わない鬼気迫る表情で手足をバタバタさせながら私の後を必死についてきます。おかげで何度も前足で引っ掻かれました。痛いっつーの。


しばらくすると若干自信をつけてきたか、だんだん泳ぐのが楽しくなってきたように見えます。補助輪を外して初めて自転車に乗り、だんだんうまく乗りこなせるようになってきた子供のようです。



でもまだまだ余裕が無いですね。プカプカ浮いていられるくらいになるまで練習したかったですが寒くなったのと雷が鳴り出したのとで時間切れ。今年の夏、もう一回連れて行ってやれるかなー。

57号線開通します。

熊本から阿蘇を経由して大分へ結ぶメイン道路の国道57号線、阿蘇山の東外輪山を登る箇所が先月の九州北部豪雨により不通になっておりましたが、懸命の復旧作業により明後日20日に開通します。それに伴い、JRバス代行運転を開始します。

これにより別府、阿蘇、熊本と九州を代表する観光地を結ぶJR路線がいちおう(というのは代行バス輸送区間がありますので)繋がり、JR切符での九州横断が可能になるのでお知らせしておきます。

尚、線路も9月3日には熊本、阿蘇間は復旧して通常運転を開始する予定です。

詳しくはコチラ↓

http://www.jrkyushu.co.jp/kyudai_houhi_mikomi.pdf



少し前まである他県のツーリストインフォーメーションセンターでは阿蘇方面は災害のために熊本から電車では行けなくてバス代行があるけれど、それはものすごーく時間がかかりますよ(It takes VERY long)、などと旅行者に伝えていたという話も聞いております。この“ものすごーく”というのが風評です。ちゃんと仕事をしてほしいですね。





2012年8月17日金曜日

ほほえましい。

お盆期間中はたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。

こういう会社が休みの時期は家族連れの方々が多くなる傾向があります。
阿蘇ベースの場合、3人家族の場合はなんとかツインの部屋かダブルルームプラスの部屋でエキストラの布団を敷いて(または小さいお子さまの場合は無しで)対応できますが、4人家族の場合はひとつのプライベート部屋では狭い為お断りしており、部屋をふたつ借りていただいております。

ドミトリー(相部屋)は4人部屋ですが、入り口がドアではなくカーテンになっており、10歳未満のお子さまはお断りしています。

このお盆期間中に、ある4人のゲストさんがドミトリーの部屋を予約されました。いらしたところ、ご家族でした。

こどもがふたり、お姉さんと弟。そしてその弟さん、かわらしいけど…、小さいぞ。

10歳以下ドミトリーダメポリシーをお読みになっていなかったか。しかし他のプライベートルームは無いし困ったなあ。でも言わなきゃあな。出来ればそのこがいないところで聞きたいけど、ずっと横にいるからしょうがない…。


「あ、あのー、お子さん何歳ですか?」

「あっ、ああー、この子ちっちゃいけどこれでも10歳、小学校4年生なんですよー。」

と私達の規則をよくご存じだったようで、そう仰いました。それはたいへん失礼しました。

横で聞いていたその子は「だってぜんぜん大きくならんもーん。」と少し拗ねたように言いました。
彼のプライドを傷つけてしまったようです。私は、“失敗した”と内心若干動揺したので「いやー、男は中学校入ってから大きくなるよ。俺もそうだったし。」などと気の利いた大人のフォローも、うまく出ませんでした(だいたい後からあー言えばよかったー、などと後悔するんだよなー、私の場合。)。


そしてそのご家族のチェックアウト時、受付にいる私達に向かってその弟さん「どうもありがとうございました。」と少し照れながら、でもはっきり聞こえるように言ってくれました。おかあさんが横で「もっと大きな声で言わんかい。」と頭をぺしっ!と軽くはたきます。ほほえましい光景です。

じゃあバイバーイ、と手を振る私、手を振り返す弟。その手が何故か空中で停まりました。


私の手と彼の手、その距離30cm程、“??”と思いましたがどうやらハイタッチを待ってるようです。趣旨はよく解りませんがとにかくパシッと力強くハイタッチ。横にいた妻も「私も私も!」とハイタッチ。


ほほえましい男の子でした。大きくなれよ~。

2012年8月8日水曜日

気まずい。

10数年前のバックパック旅行中の、現在大変シリアスな状況下にあると伝えられている中東シリアでのはなし。

どこの街か忘れましたがダマスカスではなかったどこかの街を歩いていると、ひとりの青年が私の拙すぎる英語より数段上手な日本語で話しかけてきました。
海外において日本語で話しかけてくる人物は怪しい場合も多いのですが、その学生風の青年は純粋に日本語を話したくて声をかけてきた様子でした。

どこから来たのデスカ?何で日本語がそんなにできるの?どのくらい旅行してるんデスカ?シリアは何がおいしいの?等々、はっきり言って何を話したのかはよく覚えてないですが、たぶんそんなような話をしていたんだと思います。すると唐突に彼が言いました(これははっきり覚えてます)。

「ワタシ、ニホンジンがなんでアメリカがキライかシッテマス。」


え?(オレ、アメリカキライなんて一言も言ってないけど…。)」



「ヒロシマ、ナガサキ…。」


人類史上未曽有の核兵器による無差別大虐殺ですので、今でこそシリアの人が知っていることに何の不思議もないと考えられますが、唐突だったこともあり、世間知らずな若造だったこともあり、日本から遠く離れたシリアの人の口から広島、長崎という単語が出たことに少なからず衝撃を受けたのでした。

その彼はアメリカが大キライみたいでした。私も特にアメリカを擁護する理由など何ひとつないどころか、アメリカという国をこき下ろすことに関して実際のところ決してやぶさかでない気持ちもありましたので、だよねー、アメリカってなんかすっごく傲慢だよねー、的なハナシにひとしきり国境を越えた大輪の花が咲いたのでした。




そして話は変わり、彼は私の着ている服がトテモカッコイイとホメだしました。その服は日本で買って確か1万円くらいもした私にしてはかなりの高級品でした。黒いウインドブレーカーのようでいて膝くらいまでの長さがあり、雨が降っても水を通さずレインコート代わりにもなり、軽くて、コンパクトにたためるその服は、その時すでに日本を出てから半年を越えていた長期の旅行中に大変重宝していた自分でも大のお気に入りでした。


彼は、その服はメイドインジャパンでしょう?やっぱりメイドインジャパンはクオリティがチガイマスネー。などとホメ倒してきます。私は日本人として得意げな表情を押し殺し、どこ製だったかなー、やっぱりメイドインジャパンなのかなー、などと呑気にほざきつつ服についているタグをふたりしてさがしました。



 ありました。そしてそこにはこう書いてありました…。







“MADE IN USA”


「あっ。」とか思わず口から漏れてしまったんじゃないかと思います。

ここでまさかのメイドインUSA。

MADE IN UAEでも MADE IN USSRでも何でもいいですが、USAだけは勘弁してほしかった、その時一番あってはならないメイドインです。



気まずい沈黙がしばらく流れ、突如として裏切り者みたくなってしまった私はいたたまれない気持ちのまま、ぎこちなく話題を変えたのでした。








彼は今も元気かなあ…。



2012年8月4日土曜日

復活。

ジージジジーーーーィジジジジィーーージジジジジジジジ…以下略。」 と、数日前の朝パソコンのスイッチを入れると変な音がしました。
アレ、セミ入った?などとボケる余裕もなく、とりあえず中を開けてかなり溜まったホコリを掃除機で吸い込みどうだ治ったか!と両手を握りあわせつつ再びスイッチを入れてみるとさらに音が大きくなったような気さえします。


こうなったら仕方無い、ここは腕の見せどころとすかさずサポートデスクに電話。


そして本日文字通り虫の息だったパソコンが部品交換出張サポートにより力強く復活。延長保証に入っていて良かったなあ。